性病(STD)の感染経路を知って予防対策

亀頭や外陰部にできる小豆サイズのイボは尖圭コンジローマの可能性

ヒトパピローマウイルス(HPV:写真参照)の感染によって発症する尖圭コンジローマは、男性ではペニスの亀頭や包皮、女性では外陰部などに米粒や小豆くらいの大きさのイボがたくさんできる性病です。肛門周囲にできることもあります。なおコンジローマとは、「湿ったイボ」を意味しています。

低リスク型のHPV

ヒトパピローマウイルスは主にセックスによって感染し、数週間から最大で3か月程度の潜伏期間を経てから発症します。イボ自体には痛みやかゆみはありませんが、皮膚科や性病科で適切な治療を受けないで治療放置していると、患部が増殖して「カリフラワー状」や「鶏のとさか状」の塊を形成するので、性器や肛門などに異常が見つかったら、早目に医療機関に相談しましょう。

尖圭コンジローマに罹った人のセックスパートナーの多くに同じ病気が発見されるので、治療は二人で受けるようにしましょう。コンドームがカバーできる部分以外に病変ができることもあるため、コンドームを着用しているから感染しないと考えるのは危険です。

ヒトパピローマウイルスには「低リスク型」と「高リスク型」の2つのタイプがあり、尖圭コンジローマの原因となるのは低リスク型です。高リスク型、特に16型と18型は持続感染することで子宮頸がんの原因となります。この2つのタイプは別々のウイルスですので、尖圭コンジローマに罹ったからといって、子宮頸がんのリスクが高まるということはありません。

治療は患部を電気で焼いたり、メスで切除をおこなったり、凍結させたりする外科的療法と、皮膚がん等でも使用される、抗がん剤を含有した軟膏(ベセルナクリーム)を患部に塗る方法があります。妊娠中の女性が感染した場合、胎児への影響を考慮して、外科的療法が選択されます。

一度治療してしまえば、再発のリスクはほとんどありませんが、自然治癒の場合は、再発することがあるので、いずれにしても医療機関を受診することが大切です。