性病(STD)の感染経路を知って予防対策

不妊症の原因に性病が関係しているケースもあります

晩婚化が進む日本では、以前のように新婚当初は二人でゆっくりと新婚生活を愉しみ、2~3年後に子供を希望するということは少なくなり、結婚して直ぐに子供がほしいと思うカップルが多いようです。なかには結婚生活を初めて3か月もたたないうちに「子供ができないんです」と産婦人科に相談する夫婦もいるようです。

妊婦さん

避妊をしないで夫婦生活を営んだ場合、90%の女性は2年以内に妊娠をします。そのため、2年以上たっても妊娠しない場合を「不妊症」と定義してきましたが、出産年齢が高くなった近年は不妊の治療は早く始めた方が効果が高いという理由もあり、期間が「2年」から「1年」に短縮されました。

結婚して以来妊娠が全くない状態を「原発性不妊」といい、第一子は誕生したものの、第二子ができない場合を「続発性不妊」といいます。また妊娠ができても流産や死産を繰り返してまうケースを「不育症」といい、これも大きな意味での不妊症ですので、産婦人科での治療の対象となります。

不妊の原因は女性にあるとされたのは今や昔の話で、原因は男女ともに同じ割合(40%:40%:20%は原因不明)となっています。男性側の原因は、精子の通り道が詰まっていたり、炎症が起きている、射精ができないなどがありますが、大半は精子の製造過程に問題があり、精子の量が十分に作られない造精障害と呼ばれるものです。

不妊と性病の関連を見てみると、最も多いのはクラミジア感染症を放置して、卵管にまで炎症が起きたため、卵管が変形したり塞がってしまい卵子の通り道が無くなってしまうことです。男性では淋病が悪化して、無精子症になることがあります。

男性不妊が疑われた場合は、精液を採取して、精液の量、精子の数、精子の運動量、奇形率などを調べます。女性が原因として疑われる場合は、検査をして排卵の有無、卵管や子宮の異常などを調べます。検査の中には子宮卵管造影など痛みを伴うものもあり、検査期間も長くかかります。